現代の離婚事情をしっておく

2006年から離婚件数は横ばい

離婚件数及び離婚率の年次推移

図1 離婚件数の年次推移 -昭和25(1950)~平成20年(2008年)-

このサイトを訪れたあなたは、現在「離婚」に向けて準備をしているか、まよっているかだと思います。まずは、現在の離婚事情を知ってください。

厚生労働省の図1ではわかりにくいかもしれませんが、厚生労働省が発表した人口動態統計によると、2010年では新婚夫婦の3分の1近くが離婚したことになります。

現在では件今後15~20年、20年以上たった熟年夫婦の離婚率が増加しています。過去最高だった2002年をピークに離婚件数は横ばいになりつつあります。昨今の「熟年離婚」という言葉が定着していることからもわかるように、今後年配者を中心に増えていく可能性が高いです。

離婚に絡むお金の事情

専業主婦やパート勤務の人の場合、経済的な自立が可能かどうかは、離婚を決断する時の大切な問題です。2007年4月より実施の年金分割制度では、老後の生活確保を目的として、第3号被保険者(50歳異常の熟年夫婦の場合、妻の多くは第3号被保険者=サラリーマンの配偶者)であっても、配偶者の厚生年金の半分を上限とした額を分割して受け取れるようになりました。

最近では、離婚時の財産分与にあたり、配偶者の貢献度について、従来よりも重視する傾向があります。夫婦どちらかに、特別な技能による多くの収入がある場合は別として、原則的には、婚姻期間中に形成された夫婦の財産は2分の1ずつの権利があります。

また、婚姻中に暴力で怪我をさせらた場合は、慰謝料とは別に、別途損害賠償を訴求できます。

離婚事情に影響する家族観の多様化・複雑化

現在の離婚裁判は、2004年に改正された人事訴訟によって、家庭裁判所で行われています。改正前に比べ、手続きが分かりやすくなり、より迅速かつ適切に審議されるようになりました。

結婚生活がすでに破綻していて長い年月が経っている場合、未成熟子(成人年齢に達しているかどうかに、関係なく、扶養の必要性が認められている)がいないなどの条件のもの、破綻の原因を作った側からの離婚申し立てでも認めるという判例も、多くみられるようになりました。

ですが、相手が離婚により精神的・社会的・経済的に極めて苛酷な状態に置かれると認められる場合は、その状態を解消するというが条件とされています。

子供の親権についても、最近は父親の育児に対する意欲の増加や少子化などによる家族の実態変化に伴って、親権の指定や監護に関する決定をめぐる争いが増加してきました。また、自動虐待も深刻な社会問題となってきています。

このようなことから児童虐待の防止などをはかって、子の権利利益を擁護するという観点から、2011年に民法や児童福祉法、その他の法律が一部改正されました。

離婚件数及び離婚率の年次推移

離婚の許容度アンケート

離婚は幸せ?

近年の離婚率の高さから考えても、離婚は特殊なことではなく、経済的な面からも、以前とは比べ離婚しやすい社会状況が整ってきています。

ですが、離婚のハードルが低くなっているからこそ、改めて慎重に、離婚という選択が自分にとって幸せなのかどうかを考える必要があります。

現在結婚しており、離婚経験がない人に、もし離婚した場合の心配なことをアンケートした結果によると、

  • 子供に悪い影響がでないか (過半数)
  • 生活費
  • 子供の養育費

子供の心配が過半数でしたが、その他の上位は金銭面の心配でした。

一方、離婚経験がある人に、離婚して実際に苦労したことを尋ねたところ、

  • 生活費
  • 役所の手続き
  • 子供の養育費

という結果がほとんどでした。また、どちらのアンケートも「世間体」「就職や昇進などの仕事について」ということが解答されています。

離婚で解決する悩みもあれば、離婚で生まれる悩みもあります。それでもなお離婚する方が幸せなのか、相手への愛情はもう全く残っていないのか。相手と自分を見つめなおし、歩み寄る努力をしてみたか。もしかしたら、あなたが幸せになる方法は離婚ではないのかもしれません。それをじっくり考えるためにこのサイトがお役に立てれればと思います。

離婚のイメージアンケート

離婚のイメージアンケート

現代の離婚理由

毎年、婚姻関係について家庭裁判所に申し立てられた調停事件は、7万件近くになります。

夫も妻も、圧倒的に多いのは「性格が合わない」。もともと「性格・相性が良い」から結婚したはずですが、お互いのすれ違いや、勘違いから相手への気遣いを忘れてしまったのかもしれません。

「強くて頼もしい」人が結婚すると「自分勝手でわがまま」な人に思えたり、「優しい」性格とおもっていたのに「優柔不断」な性格だったりと、相手に対して違う見方が芽生えたのかもしれません。

生活しているうちに、相手への認識が変わってきたり、価値観や人生観がずれてくる。このようなことは昔からあることですが、現在では社会的に離婚への許容度が高くなっているので離婚件数が増加しています。

夫からの理由は「異性関係」「家族との折り合いが悪い」「異常性格」などがあげられますが、「性格が合わない」の件数が突出しています。

妻からの理由は「暴力をふるう」「生活費を渡さない」「精神的に虐待する」「異性関係」の順で、かなりの件数となっています。

女性は強くなったといわれますが、現代の家庭でも、夫の暴力・浮気・生活費をもらえないなど、昔ながらの弱い立場にいる妻がまだまだ多いことが分かります。

離婚の理由

離婚の理由アンケート(男女計)

熟年層の離婚率

熟年層の離婚件数は増加が目立っています。

熟年離婚は、ドラマにもなり、結婚20年異常を経過した層の理kン件数は、35年間でほぼ6倍と以前よりもずっと増えていて、離婚のハードルは下がりつつあります。では、若年層と比べて熟年層のほうが離婚する確率が高くなっているのでしょうか?

実際には、そうではありません。下の図の通り、年齢層有配偶者人口とは、一定の年齢層の男性または女性の中で結婚している人の数です。グラフでは、年齢層別に結婚している人中での離婚率を示しています。これを見ると、若年層ほど離婚率が急激に高くなっています。

19歳以下の結婚している女性のうち70%近くが離婚という高い離婚率となってます。

確かに、様々な事情から熟年離婚は近年増加傾向ですが、若年離婚も深刻な問題と言えます。

年齢別離婚率

年齢別離婚率